爆発音に驚きビルからまろびでたしげるが目にしたのは、地獄だった。あちこちで火の手が上がり、血塗れのカップルが、首をなくした赤子を抱きしめる母親が、千切れた腕を探し求める禿頭の中年サラリーマンが、呻き声や叫び声をあげている。白昼の渋谷はまさに阿鼻叫喚の様相を呈していた。 「な、何が起こっている……?」 そう呟き絶句したしげるの前に「何か」が振り下ろされ、アスファルトが粉々に砕け散った。 それが身の丈9メートルはあろうかという人型兵器の足だと気づくまでに10秒は要したであろうか。しげるはアクション映画が好きだった。それゆえ現用のアームスレイブ……パワードスーツをドラスティックに大型化した人型有人兵器……の種類はおおむね諳んじている。しかしこのASはしげるが今までに見た事もない機種であった。 (東西どっちの陣営でも見たことねぇ……!なんだこれは……!) 見上げるしげるの脳天に、今度こそ敵機の足が踏み下ろされそうになったその瞬間……【続く】