からんとドアの鈴が鳴る。 「いらっしゃいませ」 声かけは防犯の意味で基本だ。初めの頃はおどおどとしてしまったけれど今では自然に出るようになった。 「あ、今日シフト入ってたんだな、ジュード」 ルドガーさんだ。 「試験休みなのか?」 「いえ、教授が急病でしばらく休みになってしまったんです」 「へえ」 僕はバイトを初めて2週間くらいの頃、お店のお使いで買い物をしたときに、道に迷っていたところを彼に助けて貰った。道中カフェで働いていると話したら後日興味を持って来店してくれた。彼とはそこからの縁だ。一生分の運を使った気がする。 ルドガーさんは今20歳で料理人になるために研究で色んなお店を見て回っている、と聞いた。ここの料理は小洒落ていて美味しく、値段も手頃かつ雰囲気もいいから凄く理想らしい。 「今日は何にします?」 「う~ん、ジュードのおすすめにしようかな」 「僕の?」 「そう。ジュードが美味しいって俺に勧めたいものにしてくれ」 「ええっ、難しいですね」 続く2