森の奥で慎ましやかに暮らしていたじゅにちゃんが、最近鶏の卵が掠め取られているらしいことに気が付いてちょっと罠をしかけてみたら、薄汚れた獣がひっかかっておりまして。 泥や木の枝、葉っぱに塗れてるからブラッシングして洗うんだけど最初は泡も立たなくって、これは本腰入れなきゃダメだなと庭先にお鍋用意してぐらぐら沸かして、あわや釜茹での刑に処されるのかとガタブルしてる獣を盥の真ん中に座らせて、自分も半裸になりながら何度かお湯変えて洗って乾かしたらふかふかの可愛い子狐になったので思わず抱きしめちゃうじゅにちゃ。 「可愛い可愛い子狐さん、もしもあなたが迷子ならお家を探してあげましょう」 って聞くんだけど、子狐は押し黙ったまま俯いてじゅにちゃの服の裾をぎゅっと握るだけ。 その小さな手指が傷だらけになっていることに気が付いて、そっとその手を上から撫でて 「可愛い可愛い子狐さん、もしもあなたが独りならお家になってあげましょう」 って額にキスして、「今日から私がお姉ちゃんですよ」って微笑む。 そんな子狐くんとじゅにおねえちゃんの出会いがあったら良いなぁと思いました。