三日月職人の朝は早いーーー 冷たい廊下を爪先を立てて歩き、 暖かい湯気を立てる白湯を湯呑みに入れる。 その日の気温によって白湯の温度を微調節し、 彼の寝床に着く時には 猫舌の三日月も飲めるよう冷ますのだ。 それから音を立てず襖を開け、 布団の上から腹を叩きながら声をかける。 三日月、朝じゃ。起きろ。 大福のような頬が動くのを愛おしいと思いながら ゆさりゆさりと起こしていく。 大福のような天下五剣の幼子は、 微睡の中、優しい兄を探す。 ほれ、兄はここじゃ。これを飲め。 おはよう、こぎつねまる。 おはよう、寝坊助三日月。