監督生くんの言葉を聞きたかったなんて、今更だと思う 午後六時。レオナさんも帰った後の植物園でラギーは一人、ほんの一日だけの恋人のことを思った 魔法が使えないし、お金もないし、まあ俺みたいなスラム育ちじゃない奴が良くもここまで生きてこれたものだと、そんな目で観察していた。その気持ちが変化することはなかったが新しく生まれたものはあったのだ。ただ、恐ろしく不毛だった、かもしれない。あんなちっぽけな身一つで寮長とか副寮長とかのやたらつえー奴らと戦って、しかも死の危機(オーバーブロット)から救い出すだなんて早々出来るものではない。確かに他の人間の手助けがあったとは言え普通あんなものに対峙したらプチっと死んでしまっても不思議ではなかった。だというのにしぶとく生き残って、寮長なんかよりはるかに手強かなってしまったグリムくんですら助けてしまうとは 噛み締めた唇から血が流れる あんな、俺らが無理だと諦めた状態で立ち上がれる頑強な人間が元の世界へ渡ることを躊躇する筈がないのだ。 「監督生くんは、どうして付き合ってくれたんスか…?」 前触れもなく、たった一日の幸せを置き去りにして。 恋人はもう、隣に居ない。