大将の万年筆の修理を預かるペンドクター。もちろん顧客の情報は伏せられるため、代理の人間が店頭へ通うことになる。 しかし、受ける人間も長くその道にいれば「患者」がどのような扱い方をされたのか、どう愛されてきたのかが手に取るようにわかる。 スリットの傾き、軸のスレ、ペンポイントの削れの癖… インクとしわが刻まれたドクターの手によって、その万年筆は大将の手元に戻ってくる。書き味は変わることなく、しかしフローや紙を噛む癖は矯正されて。 「いつかお礼をせねばな…」 それが叶ったのかどうかはドクターだけのひみつ。