テンサイ級(10の31乗テラフロップスの演算能力)の資産家で、ニューロネットワークの電磁場による誘導に遺伝的適合性のある特権階級の人たち。……わたしのような庶民の解釈は、永遠に受けいれられない」 小百合は喘鳴の混じる声で言った。 「あなたも、わたしと同じ解釈だったんじゃないの……? あのテレビシリーズ『リラックマとしげる』を観て、一緒に、劇場版のマ・ドンソク×ベニチオ・デルトロのカップリングにはまったじゃない……」 「ごめん。逆カプなの」 わたしはとどめを刺すべく、文鎮をふり上げた。 小百合が弱々しく言う。 「ねえ。わたしたちは創作物なんかじゃない。だから、わたしたちの関係は、誰にも解釈されない『絶対』だよね…?」 「ええ。わたしは、ずっと前からあなたが嫌いだった」 小百合の表情が絶望に染まったのを確認して、わたしは文鎮をふり下ろした。【完】