教官シリーズ主をお借りしました。 You/RM 「お前名前が違うらしいな」 ぴしり。 音にするならそんな感じだろうか。 僕ら兄弟がなんだかんだお世話になってるピートの想い人。彼女の口からまさかそんな言葉が出てくると思ってなくて。 「…えっ?」 多分今の僕の笑顔は酷いものだろう。いやでも、だって。 「すまない、ミッチェルが酒の勢いで口を滑らしたんだ」 僕がどんな顔をしていたのか分からないけど、いつもはきりりと上がっている眉を下げて彼女は言った。そうかピートか。あとで覚えてろよ。 「まぁ、知ったところで呼ぶこともないだろうがな。ただ本当なのか聞きたかっただけだ」 私にとってお前は、ミッチェルの弟の"ロイ・ミラー"でしかない。 そう言いながらふと目を逸らすその姿はとてもかっこよくて。 「…マシュー」 「うん?」 「ぼくは、マシュー・ナイト。…だよ」 僕の"名前"なんて、ピートたちしか知らなかったのに。ジューンにも教えなかった、のに。 何故か彼女には教えてもいいと、そう思えたんだ。 そうか、と彼女はただ頷くだけだった。 「マシュー!」 まさかお説教の合図になるとはね。