シンデレラパロ土斎① むかしむかしあるところに、サイトウという村娘がいました。サイトウは育ての親であるヤマナミに恩返しをしようと、お城で行われるという武闘会へ行くことにしました。準優勝の副賞が現金1000万円だったのです。隣町のオキタも参加すると言っていましたから、優勝することはまず無いだろうとサイトウは考えました。 「それでは先生、行ってきます」 「いってらっしゃい。日付が変わるまでには帰ってくるんだよ」 お気に入りのダンダラ羽織と刀を二振り身につけて、サイトウは山深くの家を出発し、お城へと向かいました。 お城には強い男達が世界中から集まっていましたが、サイトウにとっては屁でもありませんでした。人を斬るのが得意なのです。鉄より硬い腕はありませんし、魔法だって杖を先に斬ってしまえば問題ありません。あとはオキタに負ければ現金1000万円はサイトウのものです。しかしいつまで経ってもオキタは一向に会場に現れません。 サイトウが不思議に思っていると、ぼーん、ぼーん、と大きな鐘の音がお城に響き渡りました。12時を知らせる鐘です。それに気付いた瞬間、サイトウの顔は真っ青になりました。