縁壱がめちゃくちゃ(肉体を除けば)普通の男で、超越者然とした巌勝の回想に改めて驚いたんですが、これ巌勝が再会後の縁壱の上澄みさえ見ていなかったというより、七歳で既に母の病に気付き慮り支える聖人めいた献身と、大人をあっさり昏倒させた剣技を見せておよそ常人離れした天才だと思い知らされた上で、今生の別れ際に「日々精進します」と言われたのが効いてそうだな~と思いました。七歳で既にあれほど凄かった弟がその後十余年も努力を怠らずにいたなら、まあ普通の男である訳がないというか。精進という言葉からまさか平和に暮らしていただけとは連想しようがないし、こういう所まで巌勝は縁壱の言葉に縛られていたっぽいですね。子供の約束なんて年月と共に忘れるのが普通だけど、巌勝はそうじゃなかったんだなぁ、と。縁壱が嘘をつく筈がないとさえ思ってそうで、この辺の不一致どうにも物悲しいです。