放課後の学校。 普段なら真っ直ぐ家に帰っている。だけど今日は違った。 昼休みに見つけた僕の机の引き出しに入れてあった一通の封筒。中には「放課後、視聴覚室で」と書かれた手紙。送り主の名前はない。 そして、僕は今、視聴覚室の前にいた。大きく深呼吸をして扉を開ける。部屋の中には一人の女の子が立っていた。 「シズル君、来てくれたんだ」 そこに居たのはクラスメイトのミクだった。ミクは僕に気づくと、満面の笑みで近づいてきた。 「手紙に気づいてなかったらどうしようかと思って不安だったんだ。さぁ入って入って」 手を引かれ僕が中に入ると、ミクは教室の扉を閉めた。よく見ると、この部屋のカーテンも全て締め切られている。 「シズル君」 真後ろから声がする。いつのまにか、ミクは僕の側まで来ていたらしい。体が触れそうな距離。だけど、頭1つ分、ミクと僕はまだ離れている。 「まだ遠いなー。座って」 半ば強引に椅子に座らされる。すると、先程の距離よりも近く、目の数センチ前に整ったミクの顔が… 「まだ遠いな。でも限界かな。シズル君、見えてる。うん、そう。画面の向こうでこの文を読んでる新川閑琉君、貴方に私は話しかけてるの。