「来週の貴方の誕生日なんですけど」 改まった顔で切り出され、思わず顔が緩んだ。 「うん?」 ディナーにでも誘ってくれるのか。それとも一日一緒にとでも言ってくれるのか。 期待に胸膨らませて身を乗り出すと、無情な声が響いた。 「僕、出張入っちゃって」 「え」 「すみません、どうしても外せない研修が」 「日帰り?」 「泊まりです。前後3日間」 「あ……そうなんだ。うん、しかたないよね仕事だし……」 笑顔がひきつるのを感じながらもごもご誤魔化すと、彼は呆れ顔でため息をついた。 「そんな顔しないでくださいよ、子供じゃあるまいし」 「まあそうなんだけど」 「敬老の日に埋め合わせしますから」 「なんだろう最近の君、容赦なさすぎ」 「遠慮するなって言いましたよね貴方」 「年寄りにはもう少し優しくしてくれてもいいんだよ!?」 「あー、もう」 ぐいと引き寄せられて唇が重なる。 憎まれ口ばかりの舌を絡め取れば甘い吐息が返った。 鼻先を擦りつけると優しい指が項を撫でる。 「プレゼント、何か欲しいものあります?」 「君」 「安いなあ」 「買えるなら言い値で買う」 「払うの僕でしょ。プレゼントなんだから」