弟が善良な人間であること誇らしかっただろうけど、同時に善良だからこそそうでない場合よりはるかに神に愛されている(婉曲表現)と知っているから気が気じゃなかっただろうし、実際彼の弟がもっと身勝手で卑小な人間なら自分を強烈に拒む兄に追い縋ってまで謝ろうとしなかった筈だし、その身を引きかえにしてまで戦わなかっただろうから、やっぱり善良だからこそああいう結末なんですよね。 兄ちゃんはそういうのも全部分かってたんですよ、弟が善良だと知っているから極限状態で出た言葉が本心でなかった事くらい、当たり前に分かってるから謝られる必要なんてないし、それどころか自分の血の事を思えば弟が家族と過ごすという幸せを既に奪ってしまった可能性すらあるから、兄としてしてやれる事はもう生きているあいだ二度と会わないくらいしかなかったのに、そうやって出来る事を全部やってなお、善良であるという誉れであるべき性質が彼の弟を神のもとに向かわせたんですよ…。