NM/EH-初夜-パターンA-4 腕の下を通って腹にまわる腕、その先のケロイド状の跡を指でなぞりながら確かめる。記憶はあっても、指先のことまで覚えてはいないが、どうやら爪を立てるような失態はしていないらしい。確かめられる範囲のニックの肌に傷はない。 一度、息を吐き出し切って、もう一度目を閉じる。白い砂漠の夜明けまで、もう少し休もう。 「っ⁉︎」 「イーサン?」 眠ろうとする意志に反して、体が跳ね上がった。その衝撃で、隣で眠っていたニックも目を覚ます。ひきつけでも起こしたかのように体が言うことを聞かない。下腹のあたりで砂嵐が起こったみたいに、気持ちいいのが止まらない。 「なに、なにを⁉︎」 「イーサン、僕じゃない」 宥めようと、頬に触れられた手を反射的に叩く。叩き落とした手に、爪を立てて縋り付く。わからない、何もかも思ったように動かない。 「ボトム側だと、中で覚えた後にそう言うこともあるらしい」 「とめて」 「…僕じゃない、待つしかないんだ」 声ですら体に響く。頼むどうにかしてくれ、触るな、行くなを繰り返す。言われるがままにする腕に抱かれながら、初めての夜はまだ明けない。