戦闘プログラムに従い、敵兵にわざと止めを刺さず仲間が助けに出てくるのを待ち伏せるWA2000。物陰から飛び出してきたのは、カービンを重たそうに抱えた少年兵であった。武器を投げ出して必死に男を引きずろうとする少年を前に、彼女はどうしてもトリガーが引けない。指揮官と仲間たちのもとで喜怒哀楽、生きる意味を知ってしまったから。生真面目な性分も災いした。なまじ現地語をかじったために二人が父子だとわかってしまった。男と目が合った。瀕死の男が自分に何かを訴えている。そんな気がした瞬間、生まれて初めて照準が小刻みにぶれだした。