S.H.Figuarts長渕剛を購入してから半年、しげるの家では怪奇現象が頻発していた。 電灯が明滅する、テレビがひとりでに点いて『男たちの大和』を流す、棒で立てて乾燥中のプラモデルがガタガタ揺れる…… 停電した部屋で、しげるは懐中電灯を左右にさまよわせていた。 突然、シンバルを叩くサルのオモチャが動きだし、しげるは懐中電灯を向けた。 (驚かせるなよ…大体、あんなオモチャを買うやつがいるのか? 赤木しげるが工場で真面目に働くため以外の存在価値があるのか?) 安堵したしげるは足元の紐を踏んだ。たちまちハサミが飛んでくる。その後も、家庭にある包丁、カッター、その他、幼児の手の届く範囲内に置いてはいけないものを使った殺人トラップが次々にしげるに襲いかかってきた。 「おい」 声が響き、疲労困憊したしげるは懐中電灯を向けた。 S.H.Figuarts長渕剛が丸く照らしだされていた。 パン、パン、とS.H.Figuarts長渕剛は自身の上腕二頭筋を叩いた。 「やっぱりよ、策を巡らすのは性に合わねえ。男ならコレ(拳)で決着をつけねえとな」 しげるは自分の1/10の大きさしかない剛を拳で叩きつぶした。