冬コミのサークルスペースで、1人の全裸中年男性が仰向けに拘束されている。しげるだ。 「む~!む~!」 轡を噛まされたしげるが呻く。 長身の少女が寿司を握り、しげるに女体盛りしている。 黒いセーラー服を着ている。長身と、大きな胸を隠すように猫背だ。黒髪を背中まで伸ばしていた。前髪が簾のように顔を覆っている。が、隙間から覗く顔はかなりの美形だ。 同人作家の一号だ。 「新刊、『将太の寿司』×『機龍警察』本……寿司1貫をオマケにお付けします……」 「む~~!」 しげるが呻く。 立読みの野次馬たちが騒ぐ。 「え~!? 『将太の寿司』×『機龍警察』!? そんなものが本当に面白いの~!?」 「うん! 『将太の寿司』の通奏低音は暴力と経済学。新刊の元ネタの『サカナとヤクザ』も、通奏低音は暴力と経済学。すっごく相性がいいんだ!」 「なるほど。これは嬉しい!」(パァン!) 一号はわずかに口角を上げた。前髪を伸ばしているため、口元しかみえない。 「助六寿司も……どうぞ」 野次馬がしげるの股間に箸を伸ばす。 「巻き寿司が1本にいなり寿司が2つ。しかし、ずいぶん黒いな」 「アサクサノリです」 「む~~!?」