ランドクルーザーから武装したSATの隊員たちが降車する。出動服に黒の防弾ベストとタクティカルベストを着け、やはり黒のヘルメットを装着し、覆面で口元を隠している。自動小銃のMP5を装備し、腰に拳銃のH&K USPを携帯している。 分隊ごとに迅速に移動し、配置に着く。 《本部から各局。メリット確認》 「こちら一班。メリット良好」 隊長が応答する。続いて各分隊も応じた。 《作戦決行はマルフタマルマル。一班は正面玄関、二班は裏口から突入せよ》 「一班了解」 * 俺は詰襟の学生服を脱いだ。廃ビルの窓枠から差す月光に、痩せた裸身が浮かびあがる。 しげる。お前を守るためなら俺は怪物になろう。無辜の人間を殺す醜い怪物に。俺を見てくれた……ただ一人の人間。 「しげる。俺を見ないでくれ」 「ダメだよ」 しげるは首を振った。 「止めるな」 無視する俺に、しげるは絶叫した。 「だって異能力バトルはゼロ年代に終わったんだもん!今やってもダサくて時代遅れなだけだもん!」 その言葉は千の刃となり、俺を引き裂いた。