ガイアスは動揺していた。何故なら眼前にはらはらと泣いているルドガーがいるからだ。ただ話していただけだったが、急に泣いたのだ。自分はただ妹との思い出話をしていただけなのに。 「・・・どうした、ルドガー」 とりあえず、原因を探ろうと泣いている本人に直接泣いている理由を聞く。だが、目を開いて泣いているルドガーは何も反応しない。慰めようにも、慰めようがない。仕方ないので、己の話した内容を思い返す。確かカーラが幼い頃一緒に遊んだ時の話だ。夕暮れになるまで遊んで帰る途中モンスターが出て、辛くも撃退できたが、辺りが暗くなり大人達に捜索されてこっぴどく叱られた思い出だ。そう思考をめぐらせていると、ルドガーが口を開いた。 「おれも」 まだ涙は出ている。 「兄さんとキャンプに行ったとき、」 ルドガーはゆっくりと話す。 「道に迷って、熊が出て、兄さんが撃退したんだ」 しゃくり上げることなく、しみじみと声を出す。 「が、アーストが、今」 何かを予感しているような、不安を抱えている声だ。 「カーラさんと離れて暮らしていることが」 区切りながらいう。 「兄さんとの日常に戻れないかもって、」 大粒の涙が一筋流れた。