「皆既」読みました。 遠雷を告げる彼の声が自分だけに届いたものだったらいいのに、というターナーの心情と情景の美しさに息を呑みました。 遠く海の上に鳴り響く雷鳴、思い描かれる嵐の予感、そうした広大な情景に、あの瞬間ベルフォードとターナーだけが居た、という、マクロな世界とミクロな「ふたり」の描写の重ね方がエレガントで心惹かれます。 以前拝読したマイベンのショートストーリーや「海耳」でも感じたことですが、日常的な風景の中に溶け込んでいた人物をふとしたきっかけで無二の「ふたり」として広い世界の中心にぽつりと浮かび上がらせるはやこさんの筆跡にはいつも感動いたします。 そして魚雷ボーイズの相変わらずのキュートさ!ターナーを愛しベルフォードに憧れてふたりの恋路をわちゃわちゃと見守る彼らの生き生きとした描写が、もう大好きです! これからも陰ながら応援しております。ご自愛くださいませ。