「ひとりでおかえり」の最後の一文が心にぶっ刺さって胸が苦しいです。立ち尽くしているディルックさんがすぐそこに実存しているかのようで、私まで底の見えない暗闇へ呆然としたまま落っこちてるかのような気持ちになりました。じゃれあって楽しそうに踊っている二人を見ているから、ディルックさんが踊れなくなってしまうその感覚が痛いほど伝わってくる気がして、涙が出ます。かつてはひとりでも踊れたものが、もうひとりでは踊れなくなった、その変化が、美しいしつらいです。 ディルックさんが、「相手が言うのを待つこと」を「相手に選ばせて自分は何もしない」と評するのも好きです。それは美徳だと思うけど、美徳は必ずしも正解ではなく、ディルックさんはそういう事を考えて気付ける人なんだなって思えます。 義弟の駆け込み訴えも好きです。義弟の取り繕ってない剥き出しの感情好き。 シャバギリさんの書かれるお話どれもとっても好きです。たくさんの素敵な小説を読めて幸せです。ありがとうございます。