つい指を頭にやる。僕の考える時の癖だ。 このお店の料理は美味しい。何を勧めても美味しいって言ってくれるだろう。だけど。 ルドガーさんが僕に求めているのは何だろう。発言の意味は? 医者には人間観察が必要だと言われている。僕はまだ医学生だけど、人より観察眼はあるはずだ。接客業でも揉まれたと思う。僕が美味しいって勧めるというのはことは僕の好みで選んでいいのか。それともこれまでの彼の言動から最適解を出せと試されているのか。いや、彼が人を試すような人ではないことは短い付き合いだけどわかる。ならば。 「ヘルシー路線だけど豆腐尽くしのプレートはどうでしょう?出汁の旨さと豆腐の甘みが絶妙で僕は好きです」 「ん。じゃあそれにするな」 よかった。これで正解だったらしい。 「ジュードは豆腐が好きなんだな」 あれ? 「ふふ、ジュードの好みをひとつゲットしたぞ」 目が笑っている。 「ルドガーさん?どういう意味ですか?」 「さんも敬語もいらないって」 だって。彼と僕はお客と店員で。 「考えてくれ。俺がお前の好きなものを知りたいって事」 頭いいんだろ?と悪戯気に言われた。 終わり 休んでないので健全で終わる。