① 学校へ到着して早々、私は咲羽先生を探した。 校門から昇降口まで歩く途中で確認した校庭には居なかったし、直行した職員室にもいなかった。 おっかしいなー……どこ行ったんだろう。 なんて思いながら廊下を練り歩いていると、いつものジャージ姿を発見。 その色を見つけた時には「ぁ」なんて、自分で聞いても嬉しそうな声が漏れてしまったけれど。 後ろ手で"ある物"を隠しながら、私は咲羽先生へと近付いた。 「せーんせ」 「ん? あ、おはよう」 相変わらず爽やか。朝に強いタイプなんだろうか? たまには眠そうに「ぉあよ~」とか言ってる姿も見てみたい、と更に彼女に対する好奇心がむくむく湧くが、それはちょっと横に置いといて。 「先生、ちょっとじっとしててね」 告げるや否や、私は後ろ手に隠していた"ある物"を先生の耳の上あたりの髪へぷすっと差し込んだ。 いつも一つくくりにしている髪型だから、こういう物が差し易くて助かるなんて思いながら、私は目を丸くしている先生を見上げて微笑んだ。 うん。やっぱ似合う。