『新宿ホエール・ウォッチング』の通販在庫が残りわずかと知り、慌てて手に入れました。えすきちさんのファンです。 お話の中の気温、湿度、音、匂いが伝わってくるような、独歩や一二三の瞳の模様の動きすら見えてくるような、とても魅力的な文章でした。小説というものを書きあげる方は須らく尊敬していますが、えすきちさんの、読者を我に帰らせないというか、読み始めから終わりまで違和感なくそれでいて豊かな表現力をもつ言葉の使い回しは、否応無しに物語に惹き込ませる力がありました。好きです。 印象的な箇所とかを挙げられたらいいのでしょうが、本当に、薄っぺらな意味でなく本当に、全ての場面が印象的で大好きです。全てのシーンの語りから、幼馴染が、幼い頃から同じように体験してきた記憶を、光景を、音を匂いを体温を、何度も何度も反芻して生きてきて、これからもそうして生きて行くんだというのが伝わってきました。その、絆とか執着とかの単語では表せない、すごく強くてどうしようもなく苦しい気持ちを垣間見れた気がして、胸がいっぱいになりました。読了後もまだ二人のクソデカ感情(これ以外語彙がない…)を引きずっていて頭がいたいです。→