「「お帰りなさいませ。お客様/マスター」」 三つ指をつき丁寧に頭をさげる。 銀色の髪が首を垂れる。二人の身分を考えれば、間違いなくありえない光景だろう。 ゆっくりとした動作で顔をあげる二人はほんのりと頬を赤らめて艶やかな微笑みを浮かべていた。 マリー・アントワネット。 アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ。 フランスの王妃とロシアの皇女、その二人が普段のドレス姿とは打って変わった淫らな「布」に身を包んでいた。 白磁の肌、雪肌、二人の染み一つない肌が透けて見えるネグリジェを着こなしていた。 そんな二人の艶姿にマスター、藤丸立香は生唾を飲み干す。 「ふふ。マスターってば緊張されているのかしら」 「えぇ、マリー。私たちのマスターは緊張しているみたいね」 二人は立ち上がると左右からマスターの腕に身体を絡めるようにして抱き着き、そっと耳元へ吐息を吹きかける。 柔らかな躰の感触と甘い香りにくらくらしていまいそうだった。 「さぁ、マスター。こちらへいらして?」 「マスターは何を飲まれるのかしら。紅茶でいいかしら」