ゴミ箱には、唾液で濡れた羽の描かれた紙片が落ちていた。ペーパー・アシッドは一回分を示すために、ただ点を打ったり、マークを印刷したりしている。最近さやが使っているものは羽が描かれているらしい。わたしはそれを拾って集めていた。羽を集めれば、またさやが飛べるようになるかもしれないから… さやが堕落したのはアニメ『ステラ女学院高等科C3部』が放送してからだった。サバゲ部に自分のことをサバゲ部員だと思っている異常者が入りこんでいるこのアニメのせいで、わたしたちサバゲ部は校内で白眼視されるようになった。 「結局さ」 そう言うと、ケイコ先輩はプスッとストローをカフェラテの蓋に突きたてた。『スターシップ・トゥルーパーズ』のブレイン・バグみたいに。 「『C3部』でサバゲについて正しい描写は体力づくりしないことだけだったんだよね」 ストローでカフェラテを啜るケイコ先輩の横で、さやは俯いていた。 さやは半年だけ通った大学を中退し、部屋に引きこもってドラッグをやるようになった。 「わたしはしげると同じ。わたしに合うヘルメットはこの世に存在しないんだよ」 同じことを言いながら、さやは毎日泣いていた。