ガン=カタの激戦の末、わたしは一号を倒した。 「どうしてこんなことを……」 「ベトナムで戦ったおれたちを待っていたのは、ヒゲに長髪の反戦運動家たちだった。そして、現代ではパートタイムの傭兵が戦い、冷房の効いた部屋から無人機を操縦する!」 一号は絶叫した。 「さやはおれがベトナムの村でレイプした少女だ! おれは現代の戦争に痛みをとりもどし、彼女やベトナムの農民たちに償うんだ!」 わたしは言った。 「もしベトナムの帰還兵だったら老人のはずでしょう? あなたは女の子じゃない!」 一号は中学生くらいの少女だった。 「あなたは祖父とドライブ中、交通事故で脳を負傷した。生命維持機能を生かすため、電脳医師はあなたの電脳に、祖父の脳を移植したの。あなたは祖父の記憶に悩まされ、東京に麻薬をバラまき、さやを70年代ベトナムの少女だと思いこんだ。二つの脳の不適合が生みだしたノイズが、しげるのほめて箱に投稿された怪文書だったの」 「じゃあ、これも。さやがいて、しげるがいて、わたしがいて……」 「一号、それは夢だよ。それは夢だ」 ♪もしか もしか 愛はもしかして ほおり投げたブーメラン 〜fin〜