「ぶす」「死ね」「もう学校くんな」 あたしの机に書き連ねられていた罵詈雑言を見るにつけ、重たいため息が喉の奥から漏れた。 文字は汚く、おまけに油性マジックが使われている。 先週、美術の時間でレタリングを扱ったのに、みんな聞いてなかったのかな?と思っていたら、髪にぐしゃっと湿った感触がぶつかってくる。 濡れた雑巾だった。 周囲から笑い声がきこえて、あたしは無視して教室から出ていく。後ろから「おい、無視すんな」「聴こえてねぇのかよ」と聴こえたけど、ぜんぶ無視した。 あたしは職員室横のトイレの個室に籠って、便座にぺとりと腰をつけた。 馬鹿ばっかりだ。人生は短いのに、みんな無駄にすり減らしている。この世で大切なことなんて、決まりきっているのに… あたしはスマホを取り出し、待ち受け画面を見つめる。そこに表示されているのは、全裸で吊るされてちんちんを生春巻きにされているしげるだ。 会員制の、闇しげるファンサイトからDLしたものだった。 しげるはあたしのすべてだ。しげるさえいてくれればどんなことにも耐えられた。 「明日もきっといい日になるよね?しげる…」 そう囁いて、あたしは画面にそっとキスをする。