副業の保育サービスとして、抱っこ紐をつけ、体で子供を預かりながら本業もおこなう男、通称、体に子供部屋をもつ男「子供部屋おじさん」としてしげるが全国的に認知されるようになってから数年。保育サービスの需要は増し、子供部屋は階層を重ね、五千層にまで達していた。子供部屋で幼児たちは社会を形成し、さながら動く都市国家連合の様相を呈していた。やがて層の外縁と内縁の間で貿易摩擦が発生。しげるが身動きしたときの角運動量の差による、遠心力で生じる疑似的な引力の差を使い、エネルギーを生産する独立した経済基盤をもつ外縁と、しげるという外部との貿易港をもち、輸入を独占する内縁との対立が激化。外縁の「ガラガラ式エネルギー生産者連盟」の代表、森岡夫妻の息子、拓也くん(3歳)と、内縁の「神聖子供部屋帝国」の君主、佐藤夫妻の息子、颯くん(1歳)の会議は拓也くんがシッペされるという悲劇で終わり、のちに「赤薔薇戦争」と呼ばれる(拓也くんが幼稚園で「あかばら組」だったため)と呼ばれる、長い独立戦争が始まりを告げた……