このことを理解した後と、する前とじゃまったくちがう。いわば『覚醒』するの。……この考えをつき詰めれば、どういうことになるかわかる? もうわたしは、文章と物語の特徴から、アルゴリズムを使ってアプリゲーのシナリオライターを識別することを終えている。気にいらないシナリオは、そのライターの責任に帰すことで否定することができる。優秀なライターの作品でも、そのライターの思想や、執筆したときの生活状況、そういった関連情報から、気にいらないところを否定できる。『覚醒』した鑑賞者は、もう公式の発表に盲従する必要はないの。これがどれだけすばらしい発見か、わかって? わたしはこれを小百合-萌南理論として発表するつもりよ。そうしたら、わたしたちの『解釈』が絶対に……」 わたしは大判の文鎮で小百合の頭を殴った。鈍い音がして、小百合は板張りの床に昏倒した。 「どうして、萌南……」 頭から血を流して喘ぐ小百合の傍らに、わたしは屈んだ。 「もしその理論が公けになったら、作品の解釈は万人の万人に対する闘争になる。そして、その闘争で勝利をおさめるのは、あなたのような知識があって頭のいい人。電脳の外部装置が【続く】