毎晩おれの腕に抱かれるしげるのことを想っているよ。おれの逞しい腕の中で眠るしげるは愛くるしく、やがておれの子を成すだろう。子供たちはブルックリンの団地ですくすく育ち、おれはお前との間にある愛情を実感する。そうして十数年の時を経て、週に一回、郊外のイオンへ買い出しに出かけるとき、おれはハンドルを握る中古のシボレーの助手席でつまらなそうに頬杖をつくしげるをみる。しげるはぞっとするほど透明な表情で窓の向こう側を覗いていて、おれは静かにため息をつくだろう。この頃、しげるはめっきり模型を作らなくなった。愛情だったものは曖昧に積み重なる日々の中ですっかり擦り切れて、おれはどうしてこうなったのかと行き場のない問い掛けを弄び…いや、何でもない。妙なことを書いてすまない。忘れてくれ。